小説を1000冊読んだ齋藤明里さんによる『ノワール小説おすすめ3選』の紹介です。
ノワール小説3選

ノワール小説とは、犯罪ががメインの題材となる小説のこと。ノアール小説を読んだことない人にこそおすすめの3冊を用意しました♪
『テスカトリポカ』

著者 | 出版社 |
佐藤究 | KADOKAWA |

麻薬取引と人間の闇に巻き込まれる、心臓が高鳴る物語!
内容紹介
麻薬カルテルのトップとして君臨するバルミロ、彼が逃亡の末に出会った日本人臓器ブローカー。そしてその息子コシの壮絶な人生。犯罪の深淵に引き込まれるキャラクターたちが、暴力と悲劇の中で絡み合う。第165回直木賞を受賞したこの作品は、圧倒的な迫力で読者を引き込むノワール小説の真髄です。
購入方法
『テスカトリポカ』はAudible(Amazonの聞く読書)でも聞けちゃいますよ♪
『黄色い家』

著者 | 出版社 |
川上未映子 | 中央公論新社 |

少女の切実な生きる願いが生む犯罪の連鎖!
内容紹介
貧困に苦しむ17歳のはな。母親に盗まれたお金、迫りくる生活の限界。その絶望から手を染めた犯罪。カード詐欺に加担しながら、はなの心の中で葛藤が渦巻く。過去の時代を舞台にしながらも現代の問題に鋭く切り込む、読後に胸が痛む物語。
購入方法
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『地面師たち』

著者 | 出版社 |
新庄耕 | 集英社 |

桁違いの不動産詐欺が描く緊迫のストーリー!
内容紹介
市場価値100億円の土地を狙う地面師たち。詐欺の頂点に立つリーダー、ハリソン山中の指揮のもと、彼らは緻密な計画を実行する。実際の事件を元に描かれた物語は、ドラマ版とあわせてさらに奥深い魅力を放つ。
購入方法
【読後レビュー付き】ノワール文学は“暗さ”ではなく“人間の本音”を描く
実際に読んで感じた「ノワール小説の魅力」
筆者が初めて読んだノワール作品は桐野夏生『グロテスク』でした。
「救いがない」と言われがちなこのジャンルですが、実際には“社会の矛盾”や“個人の弱さ”を描きながらも、人間の本音に正直であることが魅力だと感じました。
初心者におすすめの読み方とタイプ別ガイド
読者タイプ | 入門に最適な作品 | 理由 |
---|---|---|
映画が好きな人 | 『このミステリーがすごい!海外編』掲載作 | 映画的構成が多く、映像との親和性が高い |
社会派ドラマが好きな人 | 『グロテスク』(桐野夏生) | 日本社会の暗部を徹底的にえぐる内容で、深く刺さる |
フィクション初心者 | 『夜のピクニック』→『殺人出産』へ | 徐々に陰影のある作品へ移行すると読みやすい |
よくある質問(FAQ)
Q1. ノワールとサスペンスやミステリーの違いは?
A. ミステリーは謎解き中心、ノワールは「人間の闇」を描く心理的・社会的ドラマです。犯人を当てるより、感情の深掘りが主軸です。
Q2. 初心者でも読みやすい作品はありますか?
A. 短編形式や日本作家(桐野夏生、貫井徳郎など)の作品は文章が平易で読みやすいです。
Q3. 映画化されたノワール小説はありますか?
A. はい。『アウトレイジ』や『告白』『冷たい熱帯魚』などはノワール的な構造を持つ映像作品です。
更新情報
※本記事は2025年5月8日時点の書籍・映像化情報に基づいて構成されています。電子書籍や新訳の有無はAmazon・出版社公式サイトでご確認ください。
本記事の特長と他サイトとの差別化ポイント
ノワール文学は、「暗い物語」ではなく「正直すぎる物語」。
光を描くには、影を描く必要がある。そんな世界に触れてみたい人に、ぴったりの1冊を見つけていただけます。